函館どつくとは

まごころこめた ものづくり

当社は1896(明治29)年、風光明媚な津軽海峡を望む函館の地で創業しました。以来1世紀以上にわたり、北日本最大の重機械メーカーとして皆様からの様々なご要望にお応えしてまいりました。また当社の手がける仕事はスケールも大きく幅広い分野にわたるので、裾野が広いことが特長です。そのため地元とも密接なつながりを持っており、現在も1000人を超える人々が日々関わっております。


長年にわたって先人が築いてきた技術と経験、皆様からの信頼を糧として、なお一層の研鑽に励み、これからもご期待にお応えし続けます。

社是

  1. 良い仕事を安くしよう。
  2. 北海道の、そして日本の発展に尽くそう。
  3. ここで働く人が、ここに関係ある人が、幸福になる会社にしよう。

技術力

Craftsmanship

当社の一番の強みである「技術力」は、明治から連綿と続く歴史の中で培われてきた貴重な財産であり我々の誇りです。先人が創意工夫して作り出してきた船は、国内外の船主様から「函館ブランド」として海運業界に広く評価され、当社の誉れとなっています。

その「技術力」の伝統を承継し、更に進化させ続け、船舶の建造、艦艇や商船の各種検査・修理、鉄構機械の製作など各分野において、お客様から選ばれる会社であり続けます。

当社の人々

Our People

当社は、雄大な自然に囲まれた北の大地にある造船会社であり、「夏は涼しく、冬は雪が少ない」気候は、1年を通して造船・修繕業にとって恵まれた環境です。
当時の先人たちは、日本最後のフロンティアであったこの地を発展させてきました。当社で働く人々の胸には、その開拓者の精神・相互扶助の精神が深く刻まれています。

このような環境と歴史の中で育まれてきた私たちは、技術者集団としての誇りと自らに対する厳しさ、そしてまごころを込めた「ものづくり」で、お客様の信頼に応え続けます。

船ができるまで

Process

当社で造る船は全て受注生産品であり、船主様からのご要望に合わせ設計から施工まで一貫して自社で行います。1隻当たりの建造期間はおよそ9か月を要し、設計や引合いから数えると2~3年かかることが普通です。当社では1本の船台で建造するため、年間4~5隻のペースで引き渡しています。

函館どつくの歴史

History

会社沿革

1896 明治29年
函館船渠株式会社として創立、本社を函館に置く。
1903 明治36年
第1号乾ドック完成 。
橋梁工事に着手し、 最初の橋梁として鉄道用橋桁を製作、組立。
1940 昭和15年
室蘭船渠株式会社を合併し、室蘭造船所とする。
1950 昭和25年
室蘭造船所を室蘭製作所と改称。
1951 昭和26年
社名を函館ドック株式会社に変更。
1960 昭和35年
仙台、大湊、大阪、名古屋に営業所・事務所を開設。
1984 昭和59年
社名を函館どつく株式会社に変更。本社を東京に移転。
2000 平成12年
室蘭製作所ISO 9001及びJIS Q9001取得。
2001 平成13年
株式会社名村造船所と業務提携。
2003 平成15年
本社を函館に移転。
函館造船所ISO 9001及びJIS Q9001取得。
2004 平成16年
第1号乾ドックが土木学会の平成16年度選奨土木遺産に認定される。
2006 平成18年
創立110周年を迎える。
2007 平成19年
株式会社名村造船所の連結子会社となる。
2009 平成21年1月
楢崎造船株式会社を吸収合併し、小型船舶分野へ進出する。
2009 平成21年3月
大型修繕ドック設備周辺の土地(126千平米)・建物を取得する。
2010 平成22年10月
大型修繕ドック(第3号ドック:230,000DWT)稼働を開始する。
2012 平成24年1月
札幌支社を閉社。
2016 平成28年
創立120周年を迎える。

1956年 (昭和31年)

貨船 ”EIRINI-L”

建造方式で初めてブロック建造方式が採用されました。門型のデリックポストを有する三島型で、当社の戦後の本格的な大型輸出船の先駆けとなりました。

1956年 (昭和31年)

1962年 (昭和37年)

木材運搬専用船 ”EASTERN SAKURA”

北米丸太材 輸入専用船の新造船第1号として建造されました。木材運搬専用船のパイオニアです。

1962年 (昭和37年)

1964年 (昭和39年)

青函連絡船 ”松前丸”

青函連絡船の地元函館で建造された「松前丸」。当時の最新技術をふんだんに取り入れ、近代化船を代表する優秀船として知られていました。またその優美な姿から「海峡の女王」と呼ばれ愛されました。

1964年 (昭和39年)

1967年 (昭和42年)

機関自動化パナマックスバルカー ”FOTINI L”

エンジンコントロールルームに人員を配置しない機関自動化船のパナマックスバルカーとして建造されました。

1967年 (昭和42年)

1969年 (昭和44年)

青函連絡船 ”渡島丸”

時代の貨物需要に応え、青函航路輸送強化を目的として当社で建造した高速貨物船です。貨車積載能力を増加するため松前丸と比べ全長で約12.6m長くなっております。

1969年 (昭和44年)

1970年(昭和45年)

3,000DWT MINIBULCA “MINI LEO

1968年(昭和43年)から1975年(昭和50年)にかけて50隻以上建造されました。船型は極端な幅広船(船長/船幅=4.1)で外板に極力平面を採用した角型船です。河川航行も考慮されました。

1970年(昭和45年)

1970年(昭和45年)

底開式土運船 “第2開洋丸”

5,000トン積の自航底開式土運船です。当時函館どつくは船底を開閉する油圧開閉装置の特許を持っていました。

1970年(昭和45年)

2000T 海上クレーン ”KIRYU”

海上クレーンや土砂運搬船をはじめ、杭打船、サクションドレッジャー、ディッパードレッジャー、リクレーマ船、起重機船、自昇降型オフショアプラットフォームリグ等々、当社の歴史を語る上で欠かせない数多くの作業船が建造されました。

1975年(昭和50年)

VLCC 25万トンタンカー ”AEGEAN SAILOR”

1972年(昭和47年)から1975年(昭和50年)にかけて、3隻建造されました。

1975年(昭和50年)

1981年(昭和56年)

セントローレンス型ばら積み貨物船 “VIOLETTA”

1967年(昭和42年)から1984(昭和59年)にかけて70隻以上建造され、欧米では「H29」(函館29型BC)として高い評価を受けました。五大湖を中心に活躍しました

1981年(昭和56年)

1997年(平成9年)

24,000DWT型ばら積み貨物船 “SEA MAJESTY”

”函館どつく”新体制となった1991年(平成3年)から1998年(平成10年)にかけて24隻の実績を誇った24,000~28,000DWTクラスの貨物船です。次シリーズ船として2004年(平成16年)まで21隻の建造実績を持つ32,000DWTクラスの貨物船と合わせ、この後の成長の礎になりました。

1997年(平成9年)

2005年(平成17年)

32,000DWT型ばら積み貨物船「SUPER HANDY32」 “YOUNG SPIRIT”

2004年(平成16年)に第1隻目を竣工し、以降2014年(平成26年)までの10年間計67隻もの大ベストセラーとなった「SUPER HANDY32」シリーズは、当時の先駆けである超幅広・浅喫水に加えセミボックス型の船倉を特長とし、この後のデファクトスタンダードとなりました。

2005年(平成17年)

2010年(平成22年)

7,000トン積セメント運搬船 “パシフィックブリーズ” 

内航船のCO2低減や省エネを目指したスーパーエコシップ(SES)建造促進制度を利用し建造したセメント運搬船です。電気推進システムや二重反転方式のラインシャフトCRPの採用といった環境性能だけでなく、ゴム防振装置を用いた主機関の騒音低減や船員環境対策をふんだんに盛り込んだコンセプト船の先駆けとして活躍しています。

2010年(平成22年)

2014年(平成26年)

34,000DWT型ばら積み貨物船「HIGH BULK 34E」 

グループ会社の株式会社名村造船所との共同プロジェクトとして開発し、2014年(平成26年)から2020年(令和2年)まで当社と株式会社名村造船所の2拠点で同時建造を行い、合わせて70隻以上の実績となる大ヒット商品になりました。本シリーズは32BCで好評だった木材積みや幅広・浅喫水のほか、使い勝手の良さや堅牢さといった特長を踏襲しながら載貨重量を増して燃料消費量を抑えるといった相反する性能目標を実現しております。

2014年(平成26年)

2020年(令和2年)

38,000DWT型ばら積み貨物船「HIGH BULK 38E」 “GLOBAL FOREST”

当社の主力商品である小型ばら積み貨物船市場において、各種新環境規制に対応しつつ燃費性能を向上させかつ従来よりも大型化した新商品のニーズが急速に高まりつつあるなか、国内外の徹底的な市場調査を踏まえ新規開発を行いました。当社伝統の木材積みや幅広浅喫水をキープしつつ、バルブレス船首形状の採用や省エネ付加物、EEDI等の最新の環境規制へ対応した仕様としており、後の主力船「HIGH BULK40E」のベース船となっております。

2020年(令和2年)