船ができるまで

1. 基本設計

お客様より求められる仕様に基づいて、積載能力や速力を決め、要求を確保できるよう設計図を作ります。

2. 詳細・生産設計

製造現場で精度良く加工・製作・取付ができるよう一つ一つの情報を数値化及び一品図を生成し、莫大な量の部品を現場が管理しやすいように計画します。

3. NCプラズマ切断

設計図通りコンピュータ管理され廃材をできるだけ少なくなるよう配置し全自動で切断します。まるでジグソーパズルのようです。

4. 曲げ加工

ガスバーナーと水で鋼材が収縮する特性を利用し複雑な曲線を熟練工により曲げ加工します。

5. 小組立

大きな船も小さな構造体を集合し、接合することで出来ています。この小さい単位の構造体を小組部材といいます。小組立とは小組部材を造る工程を呼びます。

6. 大組立 (船側ブロック)

大きな板に小組立の部品を取り付けて大きな構造体にします。この工程を大組立と呼びます。これをクレーンで搭載するのに適した大きさにしたものをブロックといいます。一つのブロックは100t以上の重さになります。

7. 大組立(煙突ブロック)

煙突も一つのブロックとして工場で組立ます。作業員との比較でいかに大きいかがわかりますね。※写真では横倒しになっています。

8. 塗装作業

各ブロックは溶接検査が終了した後、しっかりと磨き上げ下地処理を施し塗装工場内で塗装・乾燥します。

9. ブロック運搬

塗装が完了したら自走式200t運搬台車にブロックを載せ船台近くまで運び、いよいよ搭載が始まります。

10. 船台

船台では、ブロックの搭載をするための準備をしています。

11. ブロック搭載 1

ブロックの搭載が始まりました。船底部分から順番に搭載をしていき全て溶接でつなげていきます。ここで重要なのは精度良く位置を決めることであり、地上とクレーンの息の合った連係プレーが要求されます。

12. ブロック搭載 2

二重船側構造(にじゅうせんそくこうぞう)の舷側ブロックを搭載しています。繊細な作業のため緊張が強いられます。

13. ブロック搭載 3

船首ブロックを載せ、船の顔が出来上がりました。こんな顔した魚をどこかで見たこと有りませんか。

14. エンジン搭載

当社の場合、エンジンは大きく3分割で搭載します。写真はクランクに当たる部分を搭載しているところであり、中央にプロペラのシャフトがつながります。このほかにも様々な機器や無数のパイプ類、電線類を載せてつなげていきます。船の世界ではこの作業を艤装(ぎそう)と呼びます。

15. 舵板・プロペラ取付

舵板を搭載し、エンジンから伸びたシャフトの先端にプロペラを取り付けます。普段は海面下で見えない部分ですが、非常に大きなプロペラ(直径6m)が付いています。

16. キャビン(居住区・操舵室)搭載

甲板の上から5階建ての構造になっており、最上階が操舵室です。他にも24名の乗組員が長い航海を快適に過ごすための部屋や、広いキッチン・食堂、運動部屋や談話室まで備わっており、まるで一つのビルのようです。

17. 船体塗装

現場では溶接個所の船体塗装をし、いよいよ待ちに待った進水式を迎えるためのお化粧中といったところです。

18. 進水式

現代では珍しい滑走(ボール)式進水方式を採用しており、船がごう音とともに函館港内に滑り降りる姿を間近で見るのはとても大迫力です。進水式は一般公開もしているので是非見に来てくださいね。

※都合により一般公開を行わない場合もございます。ホームページ等でご確認ください。

19. 艤装作業 1

進水後もまだまだ作業は続きます。写真では操舵室の電気機器を設置・配線しております。安全な航海のためにはこれらが確実に機能する必要があり、念入りにチェックをします。

20. 艤装作業 2

船長執務室の内装工事中です。

21. 海上試運転

船主及び船級協会立会いのもと、2~3日をかけて実海域での速力・操縦性能などの試験を行います。

22. 引渡し

船主さんへの引渡しとなりました。建造に携わった多くの作業員・関係者に見送られ出航です。これからは世界各国の港へと航海し、様々な物資を運びます。今後の航海の無事をお祈り致します。